出版労連のイベントに行ってきました。

都条例関係のイベントと言うことで、東京は本郷の出版労連にお邪魔してきました〜。(7月1日) http://www.syuppan.net/

司会・長岡義幸 パネリスト・保坂展人橋本健午昼間たかし
会場には75名が参加した。

本郷というと東大が近くにありました。最初は本郷三丁目で降りようと思ったのですけど、路線を間違えてしまって、東大前という駅からてくてくと本郷まで歩いて行きました。

その間、偉そうな東大生やタクシーとケンカしている人の姿を見たりと、まあおもしろかったです。
警察署の真ん前でタクシーを手で押さえているんだもん。まあ、よほど腹でも立ったんでしょうか。(^^;)

さてさて、それで出版労連ですが、けっこう古めのアパートの中に入ってみると、なんとそこにいたのは、世田谷区区長の保坂展人さんでした。保坂さんの選挙の応援とか行ってみたかったのですが、機会がないまま、初めて御顔を拝見しました。(あ、前のイベントで見たことあるから、二回目だわ。)

保坂さんは元国会議員で、それから世田谷区長になったそうです。小泉旋風の時にか、(社会党だったらしくて)落選しちゃっていたんですよね。中学校で学園闘争の余波をくらい、その中へ身を投じた人で、高校生の時に国を訴えたことがあるという、裁判判例を作っちゃった人です。僕も最近知りました。元社会党ですが、離党して当選、今では区長さんです。田中良杉並区長と仲良しさんみたいです。手を取り合って被災地支援と反石原さんという姿勢で向かうそうです。どこかに書いてありました。

さて、保坂さんは児童ポルノ法について警鐘をならすも、人々の関心を得られなかったという経緯がありました。(実は過去、推進側でもあったみたいです。それは海外の少女の写真が日本に入ってきていることについて人権面から問題視したためだったみたいです。でも現在の強化されつつある児童ポルノ法は曖昧で範囲が広すぎるという点から反対の立場のようです。)

それで今回の都条例の規制問題では、多くの人が感心を持つようになった、自分のところにもこれだけ多くの意見書がメールで寄せられていて、プリントアウトしきれないほどだったと身振りを交えて話されていました。だいたい語った内容は昔のことについてなので、多くは配布された、「出版ニュース」(雑誌、2009年12月「児童ポルノ禁止法改正案と「表現規制」の危険性」)の記事の内容だと思いました。適当にまとめてみますと。。

現在の児童ポルノは1999年の子供の人権を守ろうとした趣旨から反しており、また1999年後に共謀罪(国民統制のための法律、成立せず)などが出てくるにつれて危機感を増し、宮沢りえの『Santa Fe』(篠山紀信が撮影)も児童ポルノであり、書店ならびに古本屋、一般人は廃棄しないといけない(写真家の場合はネガごと廃棄)、という推進側の意見を聞いてから、「表現の自由」が封じられていくという確信が強まったそうだ。

また児童が自分で撮った写真を児童ポルノと認定され、逮捕されるのは、「被害児童の救済という法益を遙かに逸脱している」というのは正にそうだと思います。ユニセフ協会が前面に出してくる「子供の権利条約」にしても、「子供の自己決定権」の尊重が背後に底流している事実を、ユニセフは見ようともしないのだそうである。本当にこの法律は児童の為なのだろうか??


そこに引き継ぐように意見を述べるのは、『有害図書と青少年問題』を書いた橋本健午さんである。橋本によると、戦前から規制の流れはあり、出版倫理懇話会出版倫理協議会との成り立ちなどを説明していたように思う。ホームページなどもくわしいので、この問題が気になる人はチェックすべきだと思う。(あんまり実は聞いていなかったのである。。汗。。いや、聞きづらくて。。)

http://www002.upp.so-net.ne.jp/kenha/history/nenpyou-01.html
(出版年表 ―発禁・わいせつ・知る権利と規制の変遷) 
若者向けとあるが、かなり細かい。

さて、そして次にマイクが渡されたのは、ジャーナリストの昼間たかしさんである。
昼間さんの意見はプレイボーイ(7月11日号)に寄稿した記事について次のように話していた。

都条例では問題になった、糸杉柾宏さんの「あきそら」と松山せいじさんの「奥サマは小学生」の発行元である、秋田書店へと行き、話を聞いたのだそうだ。この作品について「チャンピオンRED」の編集長はたかだか全ページのうち10パーセント以下しかないエッチなシーンでその作品の価値が左右されることに抵抗を持つという。というか、その中の描写で不健全と判断されることに納得がいってないようだったらしい。

それと猪瀬直樹副知事と会ったらしいが、あまり要領を得た回答は得られなかったという。

気になる人は、290円と安価なのでチェックしてみてほしいです。


それから後は、永山薫さんが主催したイベントの内容そのままだった。
(何せ、昼間さん、司会の長岡さんはその日にいらしていたし。)

国会の推進側の院内集会では、チャイルドポルノが問題となったことや、ほかにも飛び入りでコンテンツ研究会の杉野さんやほかにも顔見知りの方が意見をおっしゃられていた。杉野さんは後手後手になってしまう、規制反対派の行動にやや不信感があるらしい。なによりも、これまでの活動ではエッチなメディアを肯定できてないのが見てて歯がゆかったような気がした。

健全な市民にとっては、児童ポルノと聞くとよからぬもの、という反射神経こそが最大の敵だろう。それはほとんど無関心と変わりがない。本当に少女、児童の保護のためになっているのか、きちんと有効に運営されることこそが問題であるのに、児童ポルノの存在自体を悪とし、排除する姿勢には共感できない。もちろん、人権を侵してしまうポルノの存在は成人・未成年を問わず問題であるだろうが、そもそもその範疇や定義やカテゴリーなどは定められていない。つまり何をもって児童ポルノとするか、という線引き自体が非常に曖昧になっている。

摘発者の心次第になってはいないだろうか。そしてどうして都条例といい、児童ポルノ法といい、拙速を求めるのか。都条例は会期末を見越してきたかのように、電撃的に成立してしまったのであるし、また震災のどさくさにまぎれて、児童ポルノ法に単純所持の規定を与えるのは、国家権力の増長以外の何者でもないだろう。大きく、難しい問題である。

昼間さんは「7月以降、これまでどおりでは出版できない単行本や、いつの間にか描かれなくなった表現が続々と現れるだろう。こうして、漫画は徐々に面白くなくなっていく・・・・。」(プレイボーイの記事)と指摘している。