セクシュアル・マイノリティのイベントに行ってきた。


5月5日、中野zero小ホールで震災を経験したゲイ・レズビアンの人たちが集まった。震災を経験したとは、両義的な意味である。一方は被災者として、もう一方は被災者支援のためのボランティアとしてである。それに加えて三名の区議も加わった。

主な顔ぶれは以下の通りである。<非被災地>

生島嗣・・・ NPO法人プレイス東京(主にHIV陽性者に向けて電話相談を行っている)

井上健斗 ・・・トランスジェンダー経験者。被災者と情報を交換した。

JAPANレインボー・エイド代表 ・・・増原裕子
副代表 ・・・谷山廣
宇佐美翔子・・・共生社会を作るセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク<被災地>

性と人権ネットワークESTO 会員 岩井一樹 (元自衛官) 盛岡在住
同 代表 真木柾鷹 秋田在住
太田ふとし・・・仙台コミュニティセンター「ZEL」
ららみぃ・・・ドラッククイーン、大船渡市出身、被災地の写真を取った。<東京都・区議会議員>

石川大我 ・・・豊島区議会議員 、ゲイを公表して当選。一期目

石坂わたる・・・中野区議会議員、ゲイを公表して当選。二回挑戦、一期目

上川あや・・・世田谷区議会議員、トランスジェンダー経験者議員。三期目

注・できる限り配布資料順に名前を書いた。


痛ましい震災だったが、意見や置かれている状況は、同じ問題を共有している人たちの間でも等しくはない。

太田氏「70人くらいゲイの人がなくなっている地域がある」(仙台)

真木氏「全員無事だった」(秋田)


真木氏「セクシャリティの問題起きていないのでは、被災地は力を合わせている」

宇佐美氏「アレルギー持っている人が、アレルギーです、と言い出せないのと同じく、セクシャル・マイノリティだと言い出せないのでは」

このことは置かれている状況や活動によって、同じマイノリティであってもすれ違っている状態を示している。

しかし被災地のセクシャル・マイノリティに対して助けたい、という熱い気持ちは共有していただろう。特に話に上ってきた問題として、HIV陽性者を助けよう、ホルモン注射を受けられるようにしよう、ナベシャツを渡そう、と言った発言があり、各々がその問題に対して向き合ってきた様子が示された。HIV陽性者は現在、仙台に行けば治療が受けられるとのことであるが、ホルモン注射を作る工場の被災によって、打てなくなる人もいるのでは、との危惧の念もあった。ナベシャツは胸を平に見せるためのシャツだが、着たきりスズメでしかも周囲の目もあって洗えない、という状況の人に別の人が昔使っていたものを提供したそうだ。いずれの場合も大事なのは、物ではなく、むしろ情報だ。どこで薬や必要な支援物資が得られるのか、どこで治療を受けられるのか、そしてその情報は誰が持っているか、という情報抜きにこうした被災者を助けることは、できないのではないだろうか。「もっと被災地で何が必要か教えて欲しい」(真木氏)ということだった。

もちろん、セクシャル・マイノリティだけに注意がそそがれたわけでなく、 JAPANレインボー・エイドは一般の人にも支援物資を届けるなどの活動をしている。